fantasista 3 ー永遠にー
だけど、万が一なにかあったら……例えばキスされたり、押し倒されたりしたら……悲しむのは柊だ。
あたしは竹中君のことで柊を苦しめた。
あの時の柊を思い出すと胸が痛い。
あたしだって散々苦しめられたのに。
だから、密室で凪君と二人になることは、やっぱり避けるべきだと思った。
「ごめん……
戸崎が心配するから……」
そう答えると、凪君は驚いた顔であたしを見る。
「……え?
柊さんから山形先輩を託されたんですけど……」
「……え?」
あたしは、凪君を穴が空くほど見つめていた。