fantasista 3 ー永遠にー
だけど柊は、人に潰されているあたしを見て目を開いた。
そして、近寄ろうとする。
来ちゃだめ。
仕事中なんだから、私情はいけない。
それに、あたしの存在を知られたくない。
スーツ姿の柊はいつも以上にかっこよく、今すぐにでも駆け寄りたい。
だけど、それはいけない。
道を外れる柊は、警備員に押し戻された。
それで顔を歪めて叫ぶ。
「携帯!!」
微かにその声が聞こえた。
そして周りの人々がざわつく。
「戸崎、どうしたんだろう!」
その声を聞きながら、揉みくちゃになりながら集団から抜け出した。
まだ心臓止まりそうだ。
それに携帯って……