fantasista 3 ー永遠にー




柊はことあるごとに、飼い犬のように擦り寄ってくる。

素直な柊が大好きだし嬉しい。

だがあたしは、柊のようにいつも素直でいるのが恥ずかしいのだ。

特に高校時代は友達、いや、犬猿の仲のような関係だったからなおさらだ。

そして甘い柊といると、あたしもその甘さから抜け出せなくなってしまう。

どんどん柊に溺れていくのだ。




甘い気分を打ち切るために、さらに言う。


「そういえばあんた、『走る貴公子』ってあだ名付いてるんだよね」


「は?走る下半身!?」


あたしは頭を押さえて首を横に振る。


「あんたのいちばん弱いところは、頭」


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