fantasista 3 ー永遠にー




笑顔で剛君と凪君を見送ると……


「みどり」


大好きな声があたしを呼ぶ。

振り返ると、練習着を着た柊が立っていた。

その髪は、あたしと同じディープブルーだ。

柊はまた、あたしに向かって何を言うだろうと思ったが……嬉しそうな顔で、黙って両手を差し出した。



「なに?飛び込めってこと?」


そんなことを言う、可愛くないあたし。

それでも柊は黙って首を縦に振る。



柊は狂っている。

こんなところであたしを抱きしめるつもりか。

でも、柊のことが好きすぎて、おめでとうって気持ちを伝えたくて……

あたしはその大きな胸に飛び込んでいた。



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