fantasista 3 ー永遠にー
練習場で会った戸崎先輩は、左手薬指に指輪をしていた。
それで、トレーニング前に指輪の上からテーピングを巻いている。
相手がいるんだ、そりゃあそうかと思ってしまう。
そしてその相手もきっと、苦労しているんだろうな。
戸崎先輩は俺を見るなり、
「凪!久しぶりだな!」
なんて嬉しそうに言う。
俺の知っている戸崎先輩よりも、なんだか大人びていて爽やかだった。
彼は続ける。
「凪、すげぇウィングになったな。
また凪とピッチに立てて嬉しい」
俺はどぎまぎして答えた。
「戸崎先輩こそ大活躍されていますよね!
戸崎先輩は、ずっと俺の目標です」