fantasista 3 ー永遠にー
絶対言わないでおこうと思った。
だけど俺は、言ってしまった。
「柊さんと山形先輩のやってるとこ、見ちゃった」
いや、正確には姿は見ていないが。
すると柊さんは「興奮するだろ?」なんて言わなかった。
真っ赤になって、半泣きみたいな顔をする。
そして、口元を手で覆う。
「あり得ねぇ……」
いや、これじゃ俺が悪者みたいじゃん。
「なんかもう、凪のことマジで嫌いになるかも」
「なんでそうなるの!?」
それから一日中、柊さんはショックを受けていた。
何も知らない樹さんが慰めるほどに。
俺はこんな柊さんのこと、マジで好きになりそうだった。
そして、柊さんみたいに心から好きになれる人を見つけたい。