fantasista 3 ー永遠にー
その修学旅行の禍々しい記憶は置いておいて……
柊は日本代表だし実家もお金持ちだし、飛行機なんて慣れているだろう。
だけど、搭乗前には酔い止めなんて飲んでいたし、窓の外はあまり見ないし。
「あんたって態度デカいけど、本当ビビりだよね」
あたしは笑っていた。
だけどそんなところも好きだ。
「海外移籍とかしないの?」
気になっていたことを聞いた。
この前、凪君も海外オファーが、なんて言っていたから。
だけど柊は言う。
「今は日本でいいや。
みどりの頭がこのまま何もなくて子供とか生まれたら、移籍しようかな」
「なんで?」
「だって出産とかでトラブルあったら、海外だったら困るじゃん。
それに俺、お前と離れたくねぇし」