fantasista 3 ー永遠にー
柊のことを思うと、また胸が痛くなった。
そして、これ以上柊に無理させたり苦しませてはいけないと思う。
逃げていてはいけない、ちゃんと話さなきゃ。
あたしは柊の手を握り、柊に言う。
「竹中君のこと……
謝ってもどうにもならないけど、やっぱり謝らせて欲しいの」
柊は頬を染めたまま、あたしを見る。
そして、また努めて元気に言う。
「俺はもう、何も思ってねぇよ!」
だけどその言葉は嘘だと、柊のことをよく知っているあたしには分かる。
柊の手を握るあたしの手に、力が入った。