fantasista 3 ー永遠にー
ゆっくりと近付き、唇を重ねる。
そして傷を舐め合うように、そっと貪る。
胸がドキドキ音を立てる。
切なく甘く鳴る。
ただ一つ言えること、それは柊もあたしも、もう相手は一人しかいないと思えること。
辛いこともあったけど、そのぶん今の幸せもある。
「みどりを傷つけるから、しっかり話したことはなかった」
そう言って柊は、言葉を絞るように吐き出す。
「俺は当時、遊び感覚で女と寝ていた。
女を落とすのが快感で、クセになっていた」
「うん……」
「でも……本当に遊びだった。
テキトーに甘い言葉を吐いたらもてはやされて、しかもやらせてくれるなんて思ってた。
人の女に手を出したのも、人を好きになる気持ちが分からなかったから。
そして、みどりと付き合ってからもチャラチャラしてたのは、他の奴らに嫌われるのが怖かったから。
俺は人気者の快感を覚えてしまって、それが手放せなかった」