fantasista 3 ー永遠にー
柊は泣きそうな顔であたしを見る。
泣いてはいけないと思うのに、新たな涙が溢れ落ちる。
「みどり……すげぇ好きだ。
俺は時々怖くなる。
俺は最低な男なのに、こんなにも幸せでいいのかって」
柊は少し震えていた。
そんな柊を、ぎゅっと抱きしめる。
硬くて頑強な柊の身体からは、速い鼓動が伝わってきた。
それと同じくらい、あたしの鼓動も速い。
「俺はみどりだけではなく、色んな人を傷つけた。
遊んだ女やその相手、思わせぶりな態度を取った女……それで卒業してから急に態度を変えて、さらに傷つけた。
竹中や凪や林に恨まれても当然だ。
そんな俺が、みどりと幸せになるのはいけないと思う」
「そんなことないよ!」
あたしは叫んでいた。