fantasista 3 ー永遠にー
柊は意外にも、こっちを振り返ることはなかった。
あたしと竹中君が話す姿を見たくないのかもしれない。
竹中君は怪訝な顔をしながら、あたしに告げる。
「それでもやっぱり、戸崎と結婚した山形が可哀想だと思う。
大事にしてくれないでしょ、戸崎って」
「ううん、すごく大事にしてくれるよ」
あたしは竹中君にそう言った。
あたしには、もう迷いも何もない。
柊はずっとあたしを大切にしてくれるし、二日前の話だってある。
柊は本気であたしを好きになってくれた。
柊のただ一人だって、今では分かる。
「柊よりも、竹中君のほうがまずいんじゃない?」
柊の言葉を思い出し、思わず言ってしまう。
すると、竹中君は言いにくそうに告げる。