fantasista 3 ー永遠にー
竹中君は口を噤んで何かを考えているようだった。
そして、ぽつりと言った。
「戸崎のことは憎い。
でも、山形たち二人を見るたびにいつも楽しそうにしているから、戸崎はちゃんとしているんだと思う。
……俺ももっと、相手を大切にしなきゃいけないよな」
「そうだよ!妊婦さん、大切にしてよ!」
あたしは竹中君に言っていた。
きっとあたしが妊娠なんてしたら、柊は四六時中大丈夫かって言っているだろう。
その様子が想像でき、笑ってしまう。
「戸崎のことを考えなければ、俺も人生上手くいっていると思う。
それなりにモテたし、将来保障されてるし」
「……え?」