fantasista 3 ー永遠にー
その時、ちょうどお手洗いから戻ってきた奥さんが、竹中君に言う。
「もうすぐ、副社長になるんだもんね?」
「えっ!?営業なんじゃなかったの?」
思わず聞き返していた。
すると、竹中君は教えてくれた。
「俺の親は社長で、俺は跡継ぎになる」
そう言って彼は、誰もが知る大企業の名前を教えてくれたのだ。
「それって……柊よりすごいことじゃん!」
いや、柊のほうがすごいかもしれないけど。
でも、大企業の副社長だなんて。
そして将来の社長だなんて!
そうだよね、こんなところに来て、あんな豪華な部屋に泊まれるのは、お金持ちでないと無理だ。