fantasista 3 ー永遠にー
思い返せば、こんなに素直に柊に気持ちを伝えることは出来なかった。
ずっと友達みたいな関係だったから、女の子になるのが恥ずかしかったのだ。
だけど再会した柊は、どんな時もまっすぐにあたしに気持ちを伝えてくれた。
それに狂わされながらも安心した。
あたしも同じように、柊を安心させたい。
「凪君とは何もないよ。
偶然会って、結婚おめでとうって言われたの」
柊はあたしを抱きしめる力を少し緩める。
少し自由になったあたしは、柊を見上げた。
間近で整った柊の瞳と視線がぶつかり、胸の奥がまた音を立てる。