陛下、たとえあなたに「ぼくらの間に愛などない」と宣言されたとしても、事故死する運命を避けることが出来なくても、私はあなたを愛し続けたいのです
 侍女が様子を見に来るまでにはまだ時間がある。ということは、この状況をまとめる時間はあるということだわ。

 もう一度立ち上がると、椅子の背にひっかけているガウンを手に取って両肩にひっかけ、椅子に座った。

 まず、そうね。

 わたしは、二度死んだ。死んだのに、二度とも寝台の上で目が覚めた。

 こういうのって何? 過去に戻っているの?

 前回は、すくなくとも死ぬ数日前だった。だけど、いまも数日前とはかぎらない。

 過去には間違いない。まずは、いまがいつかを知るべきね。そして、死ぬまでにどの位時間があるのかよ。
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