陛下、たとえあなたに「ぼくらの間に愛などない」と宣言されたとしても、事故死する運命を避けることが出来なくても、私はあなたを愛し続けたいのです
 わたしが死んだのは、結婚三周年の夜のこと。そうだわ。三周年だけど、朝から彼と一度も顔を合わせなかった。
 それをいうなら、死んだ夜だけではない。彼と顔を合わせることの方が少なかった。

 まぁ、それはわたしのせいでもあるのだけれども。

 陛下のことが好きすぎて、いまだに恥ずかしくてどうしたらいいのかわからないでいる。だから、気おくれしてしまう。
 
 公式のとき以外は、コリンと会いそうなタイミングになると隠れたりずらしたりして避けてしまう。他にだれかがいればいいけれど、コリンと二人きりなんてとても耐えられない。
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