陛下、たとえあなたに「ぼくらの間に愛などない」と宣言されたとしても、事故死する運命を避けることが出来なくても、私はあなたを愛し続けたいのです
 椅子をひき、そこに座ってから脇机の一番上の抽斗の鍵を開けて冊子を取り出した。それから、机の上にのせてそれを開いた。

 毎日、日記というよりかは陛下への想いを綴っている。

 これは、陛下と初めて会ったまだ小さなときから続いている習慣。いまのノートで十三冊目になる。

 自分でもよくもまぁこれだけ彼への想いを記せるものだと感心する。飽きもせずに毎日。

 苦笑しつつ、最後に記した頁を開けた。

 昨夜、眠る前に記した頁である。

 なんてこと。
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