陛下、たとえあなたに「ぼくらの間に愛などない」と宣言されたとしても、事故死する運命を避けることが出来なくても、私はあなたを愛し続けたいのです
 気分転換に大好きな場所に行くことにした。

 庭園のバラ園である。

 ベンチがあるので、そこに座ってただボーッとするのがお気に入り。色とりどりのバラに囲まれ、芳香に包まれてボーッとするのは至福のひととき。

 いつものように座ってボーッとしたけれど、どうしても死ぬことが頭をよぎってしまう。厳密には、どうすれば死ねるかについて考えてしまう。

 陽光が降り注いでいて、赤いバラの花びらについている露がキラキラ光っている。

 ハチが飛び交い、向こうの森から小鳥たちの囀りがきこえてくる。

 そこでふと思いついた。
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