陛下、たとえあなたに「ぼくらの間に愛などない」と宣言されたとしても、事故死する運命を避けることが出来なくても、私はあなたを愛し続けたいのです
 これで死ねるかもしれない。

 これまで、自分にとって死ぬことほど未知で怖いものはなかった。だけど、何度も死んだにもかかわらず死んでいないことを繰り返すうちに、おかしな話だけど死が怖くなくなった。でも、今度は死ねるかもしれないといういま、また怖くなってきている。

 勇気を持つのよ。

 自分に言いきかせる。

 こんな不自然で不可解で理不尽な状況に終止符を打つのよ。
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