陛下、たとえあなたに「ぼくらの間に愛などない」と宣言されたとしても、事故死する運命を避けることが出来なくても、私はあなたを愛し続けたいのです
 死んだはずのわたしが、なぜか寝台の上にいる。具体的には、朝、目が覚めたときのような状態で気がついた。

 なんなの? いまのは夢だったわけ? それにしては、やけに生々しかったわね。

 しかも、すべてをはっきり思い出すことが出来る。

 それにしても、死んだときに首が折れているとか瞼が開いたままとか、そんなことまでわかるものなの?

 死んだ拍子に、精神が肉体から抜け出たとか? その精神がプカプカ浮かんで自分を見ていたとか?

 ありえないわ。ということは、やはり夢よね?

 そう結論にいたった。
< 5 / 64 >

この作品をシェア

pagetop