Cherry Blossoms〜黒に咲く紅〜
これだけでも酷い有様なのだが、部屋の中央には怒りながら酒瓶を武夫が振り回しており、それを男性数人が押さえ付けている。静江は壁際で顔を真っ青にしており、その近くには泣きじゃくる湊と、額から血を流した薫子がいた。
「大丈夫ですか!?」
アルオチが薫子に駆け寄り、傷の状態を診始める。ヨハンは湊に散歩に行こうと声をかけ、部屋から連れ出した。
「貴様ら、よくもノコノコと戻って来れたな……。こっちへ来い!お前らにはきっちり仕置きを受けてもらうぞ!」
唾を飛ばしながら怒鳴る武夫を、一花は冷ややかに見つめる。彼女の言葉を桜士はただ待った。数秒後、怒鳴り続けた武夫が疲れて黙ったところで一花は言う。
「命を救うことが私たちの使命であり、仕事です。ですがーーー武夫さん、静江さん、そしてここにいる男性の方々を、私たち医師・看護師は害ある存在とし、ブラックリストに登録させていただきます」
「は?」
静江が訳がわからない、と言いたげな顔で一花を見つめる。凛とした横顔を見せる一花に、桜士は胸を高鳴らせながら、「ブラックリストですか……」と呟いた。
「大丈夫ですか!?」
アルオチが薫子に駆け寄り、傷の状態を診始める。ヨハンは湊に散歩に行こうと声をかけ、部屋から連れ出した。
「貴様ら、よくもノコノコと戻って来れたな……。こっちへ来い!お前らにはきっちり仕置きを受けてもらうぞ!」
唾を飛ばしながら怒鳴る武夫を、一花は冷ややかに見つめる。彼女の言葉を桜士はただ待った。数秒後、怒鳴り続けた武夫が疲れて黙ったところで一花は言う。
「命を救うことが私たちの使命であり、仕事です。ですがーーー武夫さん、静江さん、そしてここにいる男性の方々を、私たち医師・看護師は害ある存在とし、ブラックリストに登録させていただきます」
「は?」
静江が訳がわからない、と言いたげな顔で一花を見つめる。凛とした横顔を見せる一花に、桜士は胸を高鳴らせながら、「ブラックリストですか……」と呟いた。