最高のパートナー
日常――1
太陽の光は刺激するよう、人々の活動を盛んにさせる。
雲一つない青空、今日の天気はそういったものである。
待ち合わせで有名な、噴水のある公園に、綾野信(あやの まこと)はいた。
噴水の水は太陽の光できらめき、まるで宝石のよう――地面に落ちるまで輝きを失わなかった。
日曜日ともあり、噴水を中心に人々があちらこちらにいた。皆、デートかなんかなんだろうなー、と綾野は思った。
「暇だぜ……」
綾野は別に目的があり、公園に来たわけでなく、単純に天気が良かったからきただけであり、まあなんとも暇だった。
噴水の水を手ですくい顔を洗おうと――
「わあああぁあん!!」
「!」
手を止め、綾野が振ふりかえるとそこには、地面に倒れた少年がいた。
どうやら、膝をすりむいたらしく、血がにじんでいる。
一瞬の思考時間も交えず綾野は少年に歩み寄る。
「お母さんかお父さんはいっしょじゃないの」
少年は答えず、ただなき叫ぶばかりで、とりあえず綾野は少年を起き上がらせようと腕をひっぱったが、暴れてどうしようもなかった。
「頼むから、な? 男ならなきやんで。えぇと…………この子のご家族いませんか!」
少年は、小学生の低学年、もしくはそれより年若いようにみえ、とてもじゃないが、一人でうろちょろしそうには見えなく、綾野は叫んだのだが、家族らしい人は見付からず、それどころか、周りにいる人々は厄介事を避けようと、綾野から遠のくばかり。
―――――
「あぁ……ど、ど。あっ! ちょい君」
「……な、なに」
唯一、周りから離れず残った女の子を見つけ、綾野は有無を言わさす、手を引っ張り、少年の手を握らせた。
女の子は、どちらかというと童顔で、目立たなさそうな雰囲気をしており、顔立ちも普通と言えば普通で、いかにも物静かな女子高生だった。
綾野は――一瞬、驚いたように目を開きそして
「また、頼む!」
そういって、両親を探しに駆け出していった。