最高のパートナー
最後に現在地について聞かれます。
私は地理には詳しくない方で、この辺りの地名にさえ詳しくありません。
私は近くに現在地が書かれた看板があるかを座りながら探します。
「す、す、みません。まってください……!」
見つからず、周りの人に懇願するように、視線を送ります。
「す――」
すみせん、そういうよりも先に、人々は通りすぎました。
再び溢れ出す涙。ぐすり、と鼻水をすすります。
世間の冷たさは槍のように、私の心に突き刺さります。
悲しくて、悲しくて、自分でもしらない間に、私は耳から携帯電話を遠ざけてました。
「ちょい貸して!」
力の抜けた手に握られた携帯電話が奪われました。
見上げると、そこには、とても優しそうな男の子がいました。女顔というほどに、顔が細い彼はけれど、しっかりと、男らしく見えました。
「はい。もうすぐ来ると思うからそれまで待って」
携帯電話を返され、彼は自分が着ていたジャンバーを私に被せてくれました。
「……ありがとうございます」
私は涙声でした。
意気地無しの私と違って彼は、何から何まで壮絶でした。
「かわるよ。じいちゃん、ちょと動かすよ」
彼は、自分の胸を背持たれのように使いおじいさんを支えます。
あれだけ重かったのに、彼は苦労なく体を起こしてあげたので、やっぱり男の子は凄いな、と感心しました。
「もう少し寝かした方がいいと思います。その方が姿勢も楽に」
「あっ、こうかな」
私は地理には詳しくない方で、この辺りの地名にさえ詳しくありません。
私は近くに現在地が書かれた看板があるかを座りながら探します。
「す、す、みません。まってください……!」
見つからず、周りの人に懇願するように、視線を送ります。
「す――」
すみせん、そういうよりも先に、人々は通りすぎました。
再び溢れ出す涙。ぐすり、と鼻水をすすります。
世間の冷たさは槍のように、私の心に突き刺さります。
悲しくて、悲しくて、自分でもしらない間に、私は耳から携帯電話を遠ざけてました。
「ちょい貸して!」
力の抜けた手に握られた携帯電話が奪われました。
見上げると、そこには、とても優しそうな男の子がいました。女顔というほどに、顔が細い彼はけれど、しっかりと、男らしく見えました。
「はい。もうすぐ来ると思うからそれまで待って」
携帯電話を返され、彼は自分が着ていたジャンバーを私に被せてくれました。
「……ありがとうございます」
私は涙声でした。
意気地無しの私と違って彼は、何から何まで壮絶でした。
「かわるよ。じいちゃん、ちょと動かすよ」
彼は、自分の胸を背持たれのように使いおじいさんを支えます。
あれだけ重かったのに、彼は苦労なく体を起こしてあげたので、やっぱり男の子は凄いな、と感心しました。
「もう少し寝かした方がいいと思います。その方が姿勢も楽に」
「あっ、こうかな」