月と桜とハイヒール
「社交ダンスでも始めてみたら?」
「なに? 急に」
「出会い、多いっていうでしょ? 最近、漫画とかアニメの影響で若い人も増えてるらしいし。あと、お金持ちも多いって!」
「また、そんなこと言って……」
「大事だよ? 総資産! 年収高くてもね、金遣い荒い人は貯金無いんだから!」
「また、バーとかで会った人に、顔と時計と靴だけ見て付いていったの?」
「まぁ、ね……」
「で、上手くいかなかった、と。じゃあ、あんたも失恋じゃない」
「いや、私は恋してないから!」
「――そう」
芽依は、溜め息のような返事をした。
麗香はサバサバした性格のわりに、『シンデレラストーリー』や『玉の輿』に学生の時から憧れていた。
三十路が見え始めた二十八歳。その願望は、さらに強くなっているようだ。
「なに? 急に」
「出会い、多いっていうでしょ? 最近、漫画とかアニメの影響で若い人も増えてるらしいし。あと、お金持ちも多いって!」
「また、そんなこと言って……」
「大事だよ? 総資産! 年収高くてもね、金遣い荒い人は貯金無いんだから!」
「また、バーとかで会った人に、顔と時計と靴だけ見て付いていったの?」
「まぁ、ね……」
「で、上手くいかなかった、と。じゃあ、あんたも失恋じゃない」
「いや、私は恋してないから!」
「――そう」
芽依は、溜め息のような返事をした。
麗香はサバサバした性格のわりに、『シンデレラストーリー』や『玉の輿』に学生の時から憧れていた。
三十路が見え始めた二十八歳。その願望は、さらに強くなっているようだ。