王子は香水姫を逃さない
 最近は、花のエキスを使った香水も人気商品だ。
 花と一緒にプレゼントとして化粧品や香水、ポプリを買う人が増えてきた。

 今日は良い天気。
 昼休憩をエリンと交代してあげて、店番に戻ってきた。
 
 商品が一部足りないので、裏の倉庫に行くと、隣の厩舎から声がする。
 「ロゼリア、馬がたくさん来る。ノエルも来るぞ。気配がある。」
 
 ロンが、伝えてきた。声を出さずに返事をする。
 「本当なの?つまり、アーサーも来るってこと?」

 「まあ、普通に考えたらそうだろうな。ノエルが他のやつを乗せてるか近くにきたらすぐ確認する。」
 「ありがとう。店先にいるから、心話で教えて。」

 どうしよう、隠れていた方がいいのかな。でもアーサーを一目見たい。
 
 ここにいることがばれたらまずいけど、知らないふりしようかな。

 そうだ、変装しよう。髪型を変えて、めがねをすればわからないかもしれない。

 サラが使っているべっ甲のめがねがテーブルにあった。かけてみる。

 ちょっとクラクラするけど、すこしずらして上を見てたら大丈夫。

< 14 / 92 >

この作品をシェア

pagetop