王子は香水姫を逃さない
皇太子は彼女を思い出しながら、ふっと笑った。それを見たピアースは皇太子が彼女に心を奪われていることを再認識した。
「殿下、エセンの貴族であるなら、アーサー殿下が知らないというのも不思議な気がします。」
「……まあ、そうだな。だが、全部の貴族の娘の顔を覚えているかと言われれば、俺もすべては覚えていない。アーサーも知っていれば、あの場で声をかけて話していてもおかしくはない。黙って見ていただけだったからな。」
アーサーは、剣の修行にきたようだが、いずれは自分の妹姫と娶せられる運命だ。
無口で剣を振るうことしかできないタイプに見えるので、皇太子はアーサーを甘く見ていた。
それに対し、ピアースは毎日訓練にくるアーサーを見ていた。
話すときは、言葉を選び相手を立てており、思慮深い性格だということもこの2週間でよく分かっていた。
皇太子は、たまにお忍びで城下におりるが、ロゼリアの姿を見るためだけに変装をして店に来ていた。
今日のロゼリアは先日と違い、めがねをしていない。すぐに美しい姿に目が釘付けになった。
「殿下、エセンの貴族であるなら、アーサー殿下が知らないというのも不思議な気がします。」
「……まあ、そうだな。だが、全部の貴族の娘の顔を覚えているかと言われれば、俺もすべては覚えていない。アーサーも知っていれば、あの場で声をかけて話していてもおかしくはない。黙って見ていただけだったからな。」
アーサーは、剣の修行にきたようだが、いずれは自分の妹姫と娶せられる運命だ。
無口で剣を振るうことしかできないタイプに見えるので、皇太子はアーサーを甘く見ていた。
それに対し、ピアースは毎日訓練にくるアーサーを見ていた。
話すときは、言葉を選び相手を立てており、思慮深い性格だということもこの2週間でよく分かっていた。
皇太子は、たまにお忍びで城下におりるが、ロゼリアの姿を見るためだけに変装をして店に来ていた。
今日のロゼリアは先日と違い、めがねをしていない。すぐに美しい姿に目が釘付けになった。