王子は香水姫を逃さない

 「では、参りましょう。ロゼリア姫。」
 「よろしくお願いします。」

 ピアースが自身の馬にまたがり、馬車の前を先導して走り出した。

 城に入り、馬車が止まった。
 
 ロゼリアはピアースの手を取り、馬車から降りると顔を上げて城を見た。
 
 エセンの城よりも大きな城だった。
 城の建築様式も違うようだ。エセンの城よりも古めかしい印象を受けた。

 ピアースの後ろにキースが見えた。
 降りてきたエリンの荷物をキースが持った。
 エリンはキースを見て真っ赤になった。
 
 城に入ると、侍女が迎えに来て部屋まで案内してくれた。

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