王子は香水姫を逃さない

 「アーサー様。どうされたのですか。」
 「ロゼリア、昨日はお疲れ様。エリン久しぶりだね。キースも会いたがっていたよ。な、キース。」
 エリンとキースは急に話を振られて、二人して真っ赤になっている。
 
 ロゼリアはクスっと笑いながら答えた。
 「そうですね。エリンもとっても会いたがっておりました。」
 
 「そんなことはありません!」
 2人は口をそろえて答えた。
 アーサーとロゼリアは目を合わせて笑い出した。

 「今日は、舞踏会明けだから訓練が休みになった。君を誘いに来た。バージニアの丘にいかないか、ロゼリア」
 「行きたいです。でも、商品を作らなくてはいけないのです。」

 「お嬢様。私がやっておきますよ。アーサー様とせっかくですからお出かけください。店に出なくても良いのですし。」
 「そうか。エリン1人では大変だろうから、キースを手伝いに残すとしよう。」
 「殿下、お一人では危ないです。」
 「何を言っている?危ないところには行かないし、夕暮れまでには戻る。少し二人にしてくれ。全く気が利かない侍従だ。」
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