王子は香水姫を逃さない

 他国貴賓席の隣に、それ以外の招待者の席があり、私たちはそこに案内された。
 ただ、驚いたことに一番前の席だった。
 だから、横を見ると、王様、王妃様、姫君がすぐに見えた。
 
 また、ジョアンナ姫も最前列にいるので、すぐに目が合った。
 こちらをじっと見つめている。
 軽く頭を下げてご挨拶をした。
 また、王妃様とも目が合い、立ち上がってご挨拶した。
 
 すると、隣にいたシルヴィア姫がにらむような目で私を見ていた。
 アーサー様との関係は知られていないはずなのに、なぜ敵視されているのかわからない。
 あまり居心地が良くないので、つい、下を向いていた。

 ラッパが鳴り、近衛隊が入場してきた。
 四列に別れて入場してきた。
 先頭に皇太子様、ピアース隊長、その後ろにアーサー様がいる。
 
 三人が正面を向いて、後の4列が後ろに整列した。
 王様が立ち上がり、挨拶をされた。近衛は現在二部制で、一部は王様付きで常に警備に当たっているらしい。
 今回の近衛の謁見式は、次期王となる皇太子付きの近衛隊とのことだった。
 
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