王子は香水姫を逃さない
「なるほどな。で、婚姻がどうしてもいやなのはそなただけか?」
「いえ、今回こういうお話をさせて頂くことは、父の許可は得ております。ただ、条件にご理解頂けないのであればしょうがないのですが。こちらも秘密を明かすほどの気持ちであることはおわかりいただきたいと思います。バージニアと半永久的に戦をするつもりがないということです。」
「では、具体的に条件を聞くとしようか。」
「はい。我がエセンの軍は少人数ながら、実は魔道師や王室の一部のものが使う魔術でその力を補っております。今、我らにどのような魔術があるか、すべてお伝えすることはできません。ただ、バージニアを同盟国として何かあれば今回のようにお助けいたします。」
「なるほど。我が国のそれに対する対価はエネルギー支援ということで変わりないのだろうか。」
「はい。できればそのように。」
「王室のものと結婚すれば、子供にもその血筋が入り、魔術を使えるはず。そなたの叔母はどうだったのだ?」
「叔母は使えません。また、他国の血筋が入ると、弱まります。我が国の王室の婚姻は、事前に魔力など相手の素質や能力を調べた上での者なのです。よって、他国との婚姻はできれば避けたいのです。」