王子は香水姫を逃さない
「お嬢様、どういうことでしょうか。何なの、あの姫!」
エリンは、真っ赤な顔をして怒りを隠さず吠えた。
私は、ベットに腰掛けると深呼吸した。
「そういうことなら、計画を早める必要がありそうだわ。エセン国王のご了承がないと、話ができない。アーサー様に連絡をとらないと。エリン、キースに連絡を取れる?」
「近衛連隊の控え室に行ければ。手紙を言付けできればなんとかなるかと。」
「手紙は難しいかもしれないわ。シルヴィア姫がどの程度の方かわからないけど、こちらを警戒しているから、侍女には気をつけるべきよ。あちらの手心が加えられてる可能性もある。」
「どうしましょう。とりあえず、控え室に行ってきますね。」
「気をつけてね。どちらにしても、アーサー様のほうから連絡が来る可能性も高いから、慌てなくても大丈夫よ。会えなかったり、危ないと思ったらすぐ戻ってね。わかった?」
「はい。お嬢様。」
エリンが部屋を出て一刻も立たないうちに、キースと一緒に戻ってきた。
「ロゼリア様。」キースが入ってきた。
「キース、ありがとう。」
「来ることがわかってたので?さすがですね。」