王子は香水姫を逃さない
二人の未来
バージニア王は咳払いをすると、こちらに向き直って話し出した。
「条件に異存はないが、問題は、ロゼリア姫だろう。皇太子の言うように、最後の一文はアーサー王子がエセン王に頼んだものだな。」
アーサーは、王を真正面から見つめ、目をそらさずに答えた。
「そうです。でも、先日もお伝えした通り、彼女以外とは結婚しないつもりでしたので、順番が少し早まっただけです。彼女の香水などの製造技術からいっても、他国に嫁がせることは国益に反することだというのはおわかりのはず。父王からすぐにこの提案がありました。私からは、彼女と前々から結婚したかったと伝えただけなのです。」
「ふむ。とはいえ、さすがだな。そなたのその政治手腕がほしい。婚姻関係を結びたいのだ。シルヴィアを側室にする件はどうだ。」
「父上、ロゼリアのほうが先です。」
「ディルク。そなたも、いずれ王になるのであれば、国益に関係する者を国から出すのがどのくらい危ういことか分かろう。彼女は諦めろ。」
「……そんな、あんまりです。ロゼリアをとられるなら、シルヴィアはやらないで下さい。」
「条件に異存はないが、問題は、ロゼリア姫だろう。皇太子の言うように、最後の一文はアーサー王子がエセン王に頼んだものだな。」
アーサーは、王を真正面から見つめ、目をそらさずに答えた。
「そうです。でも、先日もお伝えした通り、彼女以外とは結婚しないつもりでしたので、順番が少し早まっただけです。彼女の香水などの製造技術からいっても、他国に嫁がせることは国益に反することだというのはおわかりのはず。父王からすぐにこの提案がありました。私からは、彼女と前々から結婚したかったと伝えただけなのです。」
「ふむ。とはいえ、さすがだな。そなたのその政治手腕がほしい。婚姻関係を結びたいのだ。シルヴィアを側室にする件はどうだ。」
「父上、ロゼリアのほうが先です。」
「ディルク。そなたも、いずれ王になるのであれば、国益に関係する者を国から出すのがどのくらい危ういことか分かろう。彼女は諦めろ。」
「……そんな、あんまりです。ロゼリアをとられるなら、シルヴィアはやらないで下さい。」