イケメン検事の一途な愛
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プチバカンスから戻った私は、養父である社長とマネージャーの山ちゃんに失っていた記憶を話した。
あまりにも凄惨で非現実的な内容に、山ちゃんを吐気を催してしまうほどで。
養父である社長は命の恩人でもあるから、ある程度のことは予想していたようで。
驚きつつも全てを受け入れ納得してくれた。
抱える問題は山積み。
戸籍を回復するかどうか。
両親の遺産を調べるかどうか。
事件を再調査するかどうか。
両親殺害の件とは別に、自身の拉致、監禁に関する告訴するかどうか。
他にも沢山あるから、どれから手をつけるべきか。
夜を徹して話し合った結果。
戸籍は回復する方向で手続きを開始することになった。
両親の遺産の件は、遺産の有無を調べた上で戸籍回復後に親戚と話し合おうということに。
「ドラマの打ち合わせが11時からだから、そろそろ休まないとな」
「……ん」
養父はいつだって優しい。
亡くなった妻の命日の日に、亡くなった妻と新婚旅行で訪れた街で私と出会ったから、亡くなった妻の生き替わりだと思っている。
だから、無条件で私を受け入れてくれた。
そんな養父のためにも、仕事は手を抜かずに全力でしないと。
「お父さん、……それとね」
「ん?」
「あのね、………好きな人が出来た」
「……例の検事か?」
「うん」
「本気で心から愛せる人なら反対はしないよ」
「ホント?」
「あぁ」
スキャンダルというか、でっち上げられたゴシップが出る度に聞かれ続けた言葉。
『本気で心から愛せる人なら…』
それは、亡くなった最愛の女性の口癖だったそうだ。
『本気で心から愛してる』と。