イケメン検事の一途な愛
変わらぬ愛の証
「マジでごめん」
「………ん」
視線を合わせてくれない所をみると、まだ少し臍が曲がってるようだ。
6粒入りで5000円弱。
決して安いとは言い難いチョコレートだが、彼女がこんなにも好きならいつでも買ってあげたくなる。
ぷくっと頬を膨らませた彼女は、拗ねているのにおねだりしてるみたいで可愛くて。
もっといじめて、脳内をチョコレートより俺のことで埋め尽くしたくなる。
けど、喧嘩別れは避けたいから、小さな箱から3つ目のチョコレートを取り出し、彼女の口元へ。
「ん」
俺の声に気付いた彼女は、あ~んとチョコレートを入れて貰いたくて口を開けた。
そんな仕草も可愛くて堪らない。
4粒目を平らげた彼女は、着替えるためにカーテンの奥に消えた。
さっきまで彼女が座っていたメイク台に寄りかかり、着替えが終わるのを待っていると。
「ごめんっ、……誰か呼んで来て」
「え?」
「1人じゃ脱げない」
「………おぅ」
カーテンの端から顔を出す彼女。
俺はスタッフを迎えに行くふりをして、入口のドアを開閉した。
ゆっくりと彼女の元へ近づき、静かにカーテンを開ける。
「何をすれば?」
「え?……っ!」
俺の登場に驚く彼女。
背中部分のジッパーに飾りのリボンが挟まってしまい、ジッパーが下まで下ろせないようだ。
「これを下ろせばいいんだな?」
「………ん」
衣装とはいえ、引きちぎるわけにもいかず。
丁寧にレースと細いリボンを引き離し、ゆっくりとジッパーを下ろした。
ドレスの下に来ているビスチェが露わになった、その時。
ビスチェのジッパーの留め金部分の下に目を疑うような傷痕を見つけた。