イケメン検事の一途な愛
「どうしようかな」
「ん?」
「怒るべきか、嫉妬すべきか。……それとも、お仕置きすべきか」
「っ?!」
俺の言葉に硬直する彼女。
何故か、条件反射のように俺から1歩離れた。
「いいのかな?……そういう態度で」
「え?」
「授賞式っていうくらいだから、ドレス着るよな?」
「……ん」
「フッ、……着れないようにしてやろうか」
「えっ」
ネクタイを緩めながら首を左右に振り、ちょっと刺激を与えるように唇を舐める。
まるで、その気にさせたのはお前だぞ!と言わんばかりに。
ベッドの上に置かれたスーツケースを床に移動させ、視線を彼女にロックしたままゆっくりと近づく。
そして、怯えるそぶりをみせる彼女をベッドに押し倒した。
「俺に何か言うことは?」
「………彼とは本当に何でもないから」
「そんなことは聞いてない」
「え?……えっと、私が好きなのは、……柾くんだけだよ」
「知ってる」
「えぇ~、えっとえっと……」
両手をついて彼女が逃げれないように拘束し、ゆっくりと顔を近づけて。
「いつ見てもカッコいいですっ」
「フッ」
前日じゃなくて、もっと早くに知らせて欲しかった。
賞を受賞することも、釜山に行くことも。
そしたら、何かプレゼントでも用意出来たのに。
だから、彼女の口から謝罪のような。
俺への気持ちが欲しかっただけ。
志田淳平という男との関係をどうこう言うほど、俺の愛はそんな軟なもんじゃねぇ。
15年もの間、ずっと一途に思い続けてたくらいだから。
「あとは何~~、えっとあのっ……」
「んッ……」
言葉に詰まった彼女は、俺のネクタイを掴み、引き寄せた。
そして、謝罪されるよりももっと遥かに嬉しくなるような事を。