イケメン検事の一途な愛
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彼女の養父でもある社長から5日間の休みが彼女に与えられ、彼女が志田に暴行された一件を処理した御礼として、その休みを利用して彼女との旅行を許可して貰えた。
それは、彼女との関係が世にバレたとしても、公式に交際を認めると事務所側からの了解を得たのと同じ意味で。
俺にとってはこれ以上ない贈り物だ。
すぐさま有給申請をしたのは言うまでもない。
彼女と話し合い、南の島のビーチリゾートを満喫する旅行になった。
仕事以外での海外は久しぶりだと、彼女は凄く楽しみにしている様子。
何やら、俺に内緒でアクティビティを予約しているようだ。
マネージャーの山本さんから、それに必要なものを用意するようにと逐一連絡が来る。
そんな少し抜けているというか、可愛い一面がある彼女に、俺としても何もしないわけにもいかない。
初恋の子が彼女だと判明した数日後。
俺は都内のとあるショップを訪れていた。
店内は煌びやかな装飾と気品がある設えで、店舗内に入るには少々勇気がいる。
男なら一度は訪れたいその場所は、10年前から毎年通っている店。
その店に年に一度訪れる。
彼女の誕生日の日に。
司法試験に合格し、高校を卒業したその年に初めて訪れた。
彼女のことを忘れないように。
毎年1粒のダイヤモンドを買うために。
そして、今年で10年目。
毎年購入している厳選された1粒とそれらを纏うための大粒のダイヤモンドを……。
「最終的な仕上がりがこちらになります。どこか、手直しが必要な箇所がございましたら、お気軽にお申し付け下さい」