イケメン検事の一途な愛
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「どこに行くの?」
「着くまでのお楽しみ」
自宅マンションの地下駐車場を出発して、外堀通りを銀座方面と向かい土橋入口から高速道路へと。
昨夜は寝ようにも中々寝付けなくて。
脳内が軽い興奮状態に陥り、思春期じゃないんだからと言い聞かせてみたが、どうにもこうにも無理で。
ならば、脳内の妄想を現実にしたら脳内の異常な状態も落ち着くんじゃないかと勝手に判断した。
連続殺人事件の犯人を公判で追い込む時と同じ。
攻めて攻めて攻めて。
微塵も隙を与えず、最後の最後にトドメを刺すまで気を抜かない。
そんな興奮状態に近い。
そういう時は、時間ギリギリまで吟味した安心材料を豊富に準備するに限る。
そうやって妥協せずに結果を残すべく、第一線で職務をこなして来た。
だから……。
恋愛に関して自信があるわけじゃないが、努力した分の対価は必ず実を結ぶはず。
『デートしよ』と声を掛けたが、ドライブや買い物をするのではなく。
『来栖 湊』というトップ女優とデートするなら人目を避けれる場所じゃないと。
高速を使って2時間ほど走らせた、その先は……。
「わぁ~ぁ~!きれぇ~~ぇ~~!!」
「フフッ」
良かった、喜んで貰えて。
車窓から見える景色は、白い雲を浮遊させた蒼穹と穏やかなさざなみ。
両手を広げても収まりきらないほど一面に広がるパノラマビューだ。
「ちょっと待ってて」
目的地に着いたが、彼女を車に残して一人建物の中へと。
手続きだけ済ませて再び車に戻ると、彼女はルームミラーで前髪を直してる。