運命の相手は、大嫌いなアイツ!?
私は、思わず固まる。
「かっ、可愛い?」
櫂……今そう言ったよね?
『お前せっかく可愛いのに』って。
私は、目をパチパチとさせてしまう。
「まさか櫂、私のことを可愛いって、そんなふうに思っていたの?」
「ちょっ、バカ。真絢……違うから。これは、せっかくの可愛い制服が台無しっていう意味で言ったから。勘違いすんなよ、このアホが!」
なっ……! アホって!
櫂ったら、口悪い。
こういうところ、やっぱり嫌いだ。
でも、なんだ。そういうことだったんだ。
もう、ややこしい言い方しないでよ。
私は、櫂が整えてくれた髪にそっと手を当てた。