運命の相手は、大嫌いなアイツ!?
「櫂……何ひとりでボソボソ言ってんの?」
『一攫千金狙いたくなった』のあとが、全く聞こえなかったんだけど。
「ていうか櫂、お金目当てとか……」
私は櫂を白い目で見る。
「何だよ。金目当ての奴なんて、俺以外にも山ほどいるだろ。そういう真絢はどうなんだよ?」
「えーと、その……運命の人に出会いたくて」
「は? 運命の人だって!? もしかして真絢、運命の赤い糸とかそういうのも信じてたりするわけ?」
「しっ、信じてるけど? なに? 悪い!?」
「ぷっ! 運命の赤い糸信じてるとかお前、バッカじゃねぇの」
櫂が、可笑しそうに肩を震わせる。
きーっ! 人のことバカにしてーっ。
今日から高校生だというのに、そういうところちっとも変わってない。
だから、嫌いなんだよ櫂のこと。
櫂はイケメンで頭は良いけど、意地悪でよく私のことをバカにする。
昔から大嫌いな幼なじみが、私の運命の相手だなんてありえないから。
噂によるとデステニーは、DNAとか脳波とかで相性の良いふたりを割り出した、超正確なマッチングシステムみたいだけど。
本当に大丈夫なの……?