運命の相手は、大嫌いなアイツ!?
「なぁ、お粥作ったんだけど。真絢、食べられそうか?」
櫂がロフトの下から、土鍋とお水がのったお盆を運んできた。
土鍋には、湯気の立つ玉子粥が。
「ええっ! これ、櫂が作ってくれたの?」
「そうだけど? 俺以外、誰が作るんだよ」
少しムッとする櫂。
「うそ。普段、料理とか全然しないのに」
「うっせぇ。俺だってやるときはやるんだよ。その……いつも家事してくれてるお礼っていうか」
櫂が、私からふいっと顔をそらす。
ほかほかと湯気の立つ玉子粥は、美味しそうで。
櫂が私のために作ってくれたのかと思うと、すごく嬉しい。
櫂は土鍋からお椀にお粥をよそって、私に渡してくれる。
「ほら。あったかいうちに食えよ」
「あっ、ありがとう。いただきます」
ふーっと息を吹きかけ、私はお粥を口にする。
「……美味しい」
「そうか、良かった」
櫂が、私ににっこりと微笑む。
何だろう。櫂がいつもより優しい気がする。