運命の相手は、大嫌いなアイツ!?
「あのさ、真絢……今まで、ごめんな?」
「え?」
私が黙々とお粥を食べていると、櫂が突然謝罪の言葉を口にした。
「これまでお前に全部、家事を任せきりにしてしまって。学校のこともあるのに、ずっと真絢ひとりに無理させてたから。今回、体調を崩してしまったんだよな。ほんと悪かった」
櫂が私に頭を下げる。
「俺、家事はどちらかというと苦手だから。それで、今まで逃げてたけど。今日、真絢のためにお粥を作って、美味しいって言ってもらえて嬉しかったし。なんつーか……やり甲斐みたいなものも感じた。たまには料理も良いもんだなって思った。だから……」
櫂が私を真っ直ぐ見つめてくる。
「これからは、俺も逃げずにちゃんと家のことを手伝うよ。約束する」
櫂……。
まさか、櫂がそんなふうに言ってくれるなんて。
「それでさ、この前はつい口に出してしまったけど。その……パートナーを解消するかって話は、取り消してもらっても良いか? 俺は、真絢とパートナーを解消したくないんだ」
それは、私も同じ。
私はコクコクと頷く。
良かった。櫂が、私とパートナーを解消したいと思っていたわけじゃなくて。
「あと……」
櫂が、ズボンのポケットからゴソゴソと何かを取り出す。
「これを、真絢に」