運命の相手は、大嫌いなアイツ!?


「あのさ、真絢……今まで、ごめんな?」

「え?」


私が黙々とお粥を食べていると、櫂が突然謝罪の言葉を口にした。


「これまでお前に全部、家事を任せきりにしてしまって。学校のこともあるのに、ずっと真絢ひとりに無理させてたから。今回、体調を崩してしまったんだよな。ほんと悪かった」


櫂が私に頭を下げる。


「俺、家事はどちらかというと苦手だから。それで、今まで逃げてたけど。今日、真絢のためにお粥を作って、美味しいって言ってもらえて嬉しかったし。なんつーか……やり甲斐みたいなものも感じた。たまには料理も良いもんだなって思った。だから……」


櫂が私を真っ直ぐ見つめてくる。


「これからは、俺も逃げずにちゃんと家のことを手伝うよ。約束する」


櫂……。


まさか、櫂がそんなふうに言ってくれるなんて。


「それでさ、この前はつい口に出してしまったけど。その……パートナーを解消するかって話は、取り消してもらっても良いか? 俺は、真絢とパートナーを解消したくないんだ」


それは、私も同じ。

私はコクコクと頷く。


良かった。櫂が、私とパートナーを解消したいと思っていたわけじゃなくて。


「あと……」


櫂が、ズボンのポケットからゴソゴソと何かを取り出す。


「これを、真絢に」


< 32 / 38 >

この作品をシェア

pagetop