運命の相手は、大嫌いなアイツ!?
「え?」
櫂が、赤いリボンでラッピングされた白い箱を渡してきた。
「誕生日おめでとう。真絢」
誕生日……そうだ。
最近忙しくて。しかも今日は風邪を引いてしまっていて、すっかり忘れていたけれど。
6月の今日は、私の16歳の誕生日だ。
「ありがとう、櫂。これ、開けても良い?」
「ああ」
ラッピングを解くと、中から出てきたのは淡いピンク色のベルトが可愛い腕時計だった。
「腕時計……嬉しい」
思わぬサプライズに感動して、涙腺がゆるむ。
微熱も吹き飛んでしまいそうなくらい、すごく嬉しい。
「真絢の誕生日プレゼント、何にしようかずっと悩んでて。実は真絢とケンカしたあの日は、食堂でクラスの女子たちにプレゼントのことを相談してたんだ」
そうだったの?
あの日、櫂はただ遊んでいたわけじゃなかったんだ。
「俺は真絢とずっと、これからも同じ時間を過ごしたい。腕時計をプレゼントするのには、そんな意味が込められているらしい」
「へぇ。知らなかった。あれ? でも、私とこれからも同じ時間を過ごしたいっていうのは……?」
「……まだ分かんねぇの?」