運命の相手は、大嫌いなアイツ!?


櫂が、私のほうをじっと見つめる。


「俺は……子どもの頃からずっと、真絢のことが好きだ」


えっ。


櫂の予想外の言葉に、私は持っていた腕時計を落としてしまいそうになる。


櫂が、私のことを好きって……ほんとに?

“ 嫌い ” の間違いじゃないの?


「何だよ、真絢。そんな変な顔すんなよ。ブス」


照れくさいのか、櫂が自分の頭をがしがしと掻く。


「ちょっと……! 好きな子に普通、ブスとか言う!?」

「ごめん、嘘だよ。真絢が世界で一番可愛い」


うっ。そんなことを耳元で、甘い低音ボイスで言われたらやばい。


「なぁ。お前の答えは? まだ聞いてないんだけど」


そんなの決まってる。


「私も……櫂のことが好きだよ」


< 34 / 38 >

この作品をシェア

pagetop