運命の相手は、大嫌いなアイツ!?


ついに言ってしまった。


相手に『好きだよ』って伝えるだけなのに。


初めての告白は、こんなにも緊張するんだ。


さっきから身体の震えが止まらない。


「ほんとに? 真絢が俺を好きだって、夢じゃないよな?」


信じられないのか、櫂が自分の頬を引っぱる。


「痛え……ってことは、夢じゃないのか」

「もう、何やってるの櫂。夢じゃないよ、ちゃんと現実」

「ああ、良かった」


櫂が安堵したように笑うと、私を力いっぱい抱きしめてくる。


私も櫂の背中に腕をまわし、ぎゅっと抱きしめ返す。


櫂との初めてのハグは、ドキドキが半端ないけれど。

それ以上に、櫂の存在をすぐそばで感じられてものすごく安心する。


「それじゃあ今日から俺は、真絢の彼氏で。真絢は俺の彼女だから。俺らは、正真正銘のカップルってわけだな」


“ 彼氏 ” と “ 彼女 ” 。

正真正銘のカップル。


それらの言葉に、櫂と両想いになれたということを実感するとともに、かあっと頬が熱くなる。


「あれ? 真絢、顔が真っ赤だけど。もしかして熱が上がった?」


櫂が私のおでこに、自分のおでこをコツンとくっつけてくる。


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