運命の相手は、大嫌いなアイツ!?
「つーか、俺は何が何でも絶対に大金を手にするから。真絢、俺の足だけは引っ張んなよ?」
私をギロリと睨みつける櫂。
「ねぇ。なんで櫂は、そこまで一獲千金にこだわるの?」
私はここで、運命の相手と巡り会えさえすればそれで良いから。
別に、ゴールデンカップルまでは望んでいないんだけど。
「なんでって、俺は幼い頃に両親を亡くして、それ以来ずっと祖母に育ててもらってるのは真絢も知ってるだろ?」
「うん」
櫂の両親は、櫂が幼稚園の頃に交通事故で亡くなった。
「決して家が裕福だったわけじゃないのに、ばあちゃんは俺のことを引き取って育ててくれて。金がかかるのに、中学の頃はバスケまでさせてもらってさ。
俺、今までばあちゃんには沢山苦労をかけたから。大金を手に入れて、ばあちゃんを早く楽にしてやりたいなと思って。俺は、少しでも恩返しがしたいんだよ」
櫂が優しく微笑む。
まさか、そんな理由だったなんて。
これは、私もできる限り協力してあげたいという気持ちになった。
「あ、そうだ。真絢、先に言っとくけど。俺は家事とか一切しねぇから」
……はい?