運命の相手は、大嫌いなアイツ!?


翌朝。


「よし。できたーっ!」


私は、ダイニングテーブルに出来上がった朝食を並べる。


炊きたてのご飯に、豆腐とわかめの味噌汁。スクランブルエッグと納豆。


「ふぁぁ」

「あっ。おはよう、櫂」


私はあくびをしながらダイニングへとやって来た櫂に、挨拶をする。


「んー、はよ……」


櫂は私の作ったご飯にちらっと目をやると。


そのままスタスタと玄関のほうへと歩いていく。


「えっ、ちょっと櫂。朝早くからどこ行くの!?」

「どこって、食堂だけど」

「えっ、私朝ごはん作ったんだけど」

「つーか玉子、なんか焦げてるし。いらねぇ」


そう言うと、櫂は外へ出て行ってしまった。


確かに、スクランブルエッグは少し焦がしてしまったけど。


これでも、一生懸命作ったのに。


全然食べてもらえないなんて、いくら何でも悲しい。


「……いただきます」


私は、スクランブルエッグを口にする。


うん。見た目と違って美味しい……けど。


ここに来て、櫂と初めての朝なのに。


一人きりの食卓は、寂しいなぁ。


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