離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました
「肇さんたら、ひどーい。まあ、純玲ちゃんに小野寺の血が流れてないことは確かだけど。それなのにお嬢様みたいな顔して図々しいわよね。小さい頃から“疫病神”って呼ばれてきたのよ。純玲ちゃんをを引き取ってすぐに会社が傾いて叔父さんは社長をやめたって」

 そのおかげでパパが社長になったんだけどね、という瑠美の声にも侮蔑の色が込められている。
 まじか、と肇が応える。

「オノデラ貿易と繋がりを持てたら僕の出世に繋がると思ってたけどアイツは偽物だったなんて。そしたら君が入社してきてビックリしたよ。瑠美が本当のお嬢様だったわけだ」

「うふふ。そういうこと」

「なぁ、今度君の両親に挨拶させてくれよ。純玲とはうまく別れるからさ。そもそもアイツ、可愛げが無いんだよ。地味だし男慣れしてなくてさ。キスするだけでもガチガチになるんだぜ?手を出す気にもならない。どっちにしろ、そろそろ終わりかと思ってた」

(うそ……)
 次から次へと明かされる肇の本心に衝撃を受けすぎて、純玲は何かテレビドラマでも見ているような気持になっていた。

「純玲ちゃんは、地味だし一緒にいてもつまらなそうだもんね。だからきっと今まで彼氏もできなかったんだわ」

「それに比べて瑠美は可愛いし、なんせ、身体の相性もいいし?」
< 10 / 248 >

この作品をシェア

pagetop