離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました
 夕食は表参道の商業施設の中にあるワインの美味しいイタリアンレストランで早めに済ませ、腹ごなしと酔い覚ましに近くにある公園まで歩くことにした。

 少し涼しくなってきた風を心地よく感じながら歩き、噴水が望める場所で並んでベンチに腰掛ける。

「夕食、ごちそうさまでした。ワインもとってもおいしかったです」

「隣にあったローストビーフの店も美味そうだったな、またこよう」

「いつも支払いしてもらってすみません。今日のドレスの代金も一式支払ってもらっちゃてますし。私の事情なのに」

 ドレスに始まってカフェ代も夕食代も泰雅が支払ってしまった。どうにも心苦しい。

「夫婦なんだから気にする必要はない。それにこの先事務所の関係で夫婦同伴のパーティもあるかもしれないからその時着てくれればいい」

 そうは言っても普段の生活費も泰雅が持ってくれている。
 彼にとっては大した金額ではないのかもしれないが、これに甘えてはいけないと思う。
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