離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました
そして、彼の妻でいられる間は役割を精一杯つとめて笑顔で明るくいたいし、今日のような楽しい思い出も作りたい。
「君は2年待たずに契約終了してもいい。そういうことか?」
硬く低い声が返ってくる。
「はい。それと、結婚式は無理に挙げなくていいと思っています。お母さんは見たがってくれてますけど、変に写真とかに残らない方がいいかなって」
(私の思い出はさっきふたりで撮った写真があればいい)
彼と結婚して良かったと笑顔で最後を迎えればきっと両親も悲しまない。そうなるように強くなろう。
純玲は吹っ切れた気持ちでやっと顔を上げたが、泰雅の顔を見てハッとする。
その秀麗な顔は痛みを堪えるように歪んで見えたのだ。
「……泰雅、さん?」
戸惑っていると泰雅はスッと表情を戻し、純玲を見つめ返した。
「……わかった。君が思うなら、そうしよう」
落ち着いた様子でひとこと言うと彼は純玲の手を強く握り直し、そのまま強引に立ち上がった。
「帰ろうか。俺たちの家に」
「え、は……はい」
泰雅は純玲の手を引き、早足で歩き出した。
純玲は急な動きに戸惑いつつ、慌てて付いていく。
「君は2年待たずに契約終了してもいい。そういうことか?」
硬く低い声が返ってくる。
「はい。それと、結婚式は無理に挙げなくていいと思っています。お母さんは見たがってくれてますけど、変に写真とかに残らない方がいいかなって」
(私の思い出はさっきふたりで撮った写真があればいい)
彼と結婚して良かったと笑顔で最後を迎えればきっと両親も悲しまない。そうなるように強くなろう。
純玲は吹っ切れた気持ちでやっと顔を上げたが、泰雅の顔を見てハッとする。
その秀麗な顔は痛みを堪えるように歪んで見えたのだ。
「……泰雅、さん?」
戸惑っていると泰雅はスッと表情を戻し、純玲を見つめ返した。
「……わかった。君が思うなら、そうしよう」
落ち着いた様子でひとこと言うと彼は純玲の手を強く握り直し、そのまま強引に立ち上がった。
「帰ろうか。俺たちの家に」
「え、は……はい」
泰雅は純玲の手を引き、早足で歩き出した。
純玲は急な動きに戸惑いつつ、慌てて付いていく。