離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました
 純玲が怖れていたののは恋人を従姉妹に奪われたと両親に知られることだ。
 自分を裏切った男や従姉妹への怒りより、両親のことを気に病んでいる純玲はやはり昔から変わっていない。
 そこを利用して契約結婚を持ちかけた。自分も麗との縁談話は実際あったので、純玲には大げさに説明し、信ぴょう性を持たせた。

 男に裏切られた直後の彼女に、4年ぶりに顔を合わせた7つも年上の男がいきなり想いを告げて、受け入れて欲しいと迫っても引かれるだけだろう。
 まずは法的に手に入れ、少しずつ自分を好きになってくれればいい。そのための2年間だ。

 彼女に冗談だと思われていたのはわかっていたが、言質さえとれればいいと思っていた。
 酒は勧めたが記憶を無くすほど飲ませてはいない。明日になってもなかったことにはできないはずだ。
 泰雅はそこまで周到に考えていた。

 そして、そのままホテルの部屋に誘い、自分のものにした。

 自信を失っている彼女に女性としての魅力がどれほどあるか教えたかったし、何より今まで誰にも抱かれたことがないと知り、一刻も早く自分のものにしたいと長年抑え込んでいた箍が外れたのだ。
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